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《曹達》

「五分の後我々両人は、冷たい曹達(ソーダ)を飲みながら、小さな卓子(テエブル)に坐っていた」 芥川龍之介『上海遊記』

ソーダが《曹達》という表記なのに引っかかった。

現代中国語では《蘇打》(炭酸入りの清涼飲料水であれば『汽水』)という。

《蘇打》【su da(スウダア)】、《曹達》【cao da(ツァオダア)】では

前者のほうが原音『soda』に発音が近い。

《曹達》の『曹』は日本語では【ソウ】と読むので、むしろ日本語に近い。

これは日本側で作られた当て字なのか。

もしかすると芥川先生が自ら当てた字かもしれない。

明治・大正は作家自身が外来語を翻訳し、新語を大いに作り出していた時代だったはず。

それとも、当時の中国語が今とだいぶ違う発音だったのかもしれない。

1920年に設立された「日本曹達株式会社」(Nippon Soda Co., Ltd.)という企業があるらしい。

こんなところで、ひっそりと延命し続ける詞もあるのか。

うれしい、よくわからないが、がんばってほしい。

まあいずれにしても、こういうもう現代ではほとんど見かけなくなった詞に出会うと、

絶滅危惧の動物を想うような愛しさがある。

他に、『酒桟』という詞も出てくるが、これも現代語にはない。

簡素な酒飲み場のようなものだろうか。

魯迅の『孔乙己』という短編などに出てくるような。

『画舫』(装飾を施した遊覧船)、『黄包車』(輪タク)などは今も使われている。

これらはこの遊記(旅行記)を読んで初めて知った詞です。

芥川龍之介という人は、小難しい人であることには違いないと思うけど、

この遊記は、嫌味がなく、ユーモアのある文で読みやすい。

ちょっとした珍道中のようにもなっている。

僕のような中国滞在者にとってはなお面白い。

以下は、頭で取り上げた一文に続く文。
  
「このカッフェはパリジャンなぞより、余程下等な所らしい。桃色に塗った壁の側には、髪を分けた支那の少年が、大きなピアノを叩いている。それからカッフェのまん中には、英吉利の水兵が三四人、頬紅の濃い女たちを相手に、だらしのない舞踏を続けている。最後に入口の硝子戸の側には、薔薇の花を売る支那の婆さんが、私に不要を食わされた後、ぼんやり舞踏を眺めている。私は何だか画入新聞の挿画でも見るような心もちになった。画の題は勿論『上海』である」
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テーマ:中国語 - ジャンル:学問・文化・芸術

  1. 2008/08/17(日) 21:05:07|
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